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ティージェイ・ヴァンガーデレンの加入はEFエデュケーションファーストのステージレース体制に大きな安定感をもたらしました。アメリカ人オールラウンダーは世界最高峰の舞台であるワールドツアーで数々の実績を残してきましたが、まだグランツールでの勝利を手にしていません。EFゴーンレーシングの第2回インタビューの中で、キャリア最高のシーズンはまだ先にあることを彼は断言しました。

26 March 2019

アメリカの次世代オールラウンダーとしての期待を背負い、2010年にプロ入りしたティージェイ・ヴァンガーデレン。2012年に世界最高峰の舞台でマイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を獲得し、その実力を世界に知らしめました。

これまでプロトンの中で過ごした10年間で、彼はツアー・オブ・カリフォルニアの総合優勝や、ジロ・ディタリアのステージ優勝、世界選手権チームタイムトライアル優勝などの成績を収めてきました。しかし、『すべてを制する新星』というプロ入り当時のふれ込みに値する大活躍かと言うと、決してそうではありません。

ワールドツアーレースでの勝利を欲する熱い炎は健在なのでしょうか? 「もちろん。100%あるよ」。彼は即答しました。ストレートな質問への、シンプルな返答。ティージェイにとって、今も昔も、走り続けるモチベーションは変わっていないようです。「勝つのが大好きだ。限界まで追い込んで、自分が最強ライダーの一人だと証明するのが大好きだ。ゆったりとライドを楽しみたい人もいるし、僕にもそういう時もあるけど、なぜレースに挑むかという質問には『勝ちたいから』という答えしか出てこない」。

「確かにキャリアの早い時期に多くの成績を残したので、それからずっと下降曲線を描いているように見えるかもしれない」。彼はBMC時代にグランツールで思うような成績を残せずに低迷していたことを素直に認めます。

自身の低迷を認めることができるほど成熟したティージェイは、調子に波があることもその長い経験から理解しています。そして彼はキャリア最高のシーズンはまだ先にあると断言しました。「いつになるかは具体的に分からないけど、今から6〜7年後に引退する時、キャリアの中でEF時代が最も輝いていたという印象を残したい。このチームで、キャリア最高のシーズンを送ってみせる。

確かにキャリアの早い時期に多くの成績を残したので、それからずっと下降曲線を描いているように見えるかもしれない。このチームで、キャリア最高のシーズンを送ってみせる。

BMCレーシングからEFエデュケーションファーストへの移籍を決めたヴァンガーデレン。7年間という長い月日を過ごしたチームを離れることになりましたが、新しい世界に飛び込むというより、むしろ故郷に帰るような感覚だったと言います。

「知っているチームメイトが多くて、まるで帰省したような気分になった。アレックス・ハウズやテイラー・フィニーといった、僕の結婚式に出席してくれた連中もいた。ネイサン・ブラウンやジョー・ドンブロウスキー、ローソン・クラドックは全米ナショナルチームのメンバーとして一緒に走ったこともあるし、右も左も分からないような新入りという感覚は全くなかったよ。一緒に夕食のテーブルについた次の瞬間にはもう仲間入りしていた」。

知った顔の多さから、すぐにチームに順応したティージェイ。もちろん彼は、新しいチームメイトたち、例えばダニー・マルティネスやリゴベルト・ウランといったコロンビアンたちとのレース出場を心待ちにしている様子です。EFゴーンレーシングの第1回インタビューで取り上げたダニーは、合宿中にヴァンガーデレンを驚かせたと言います。

「トレーニングキャンプの期間中、彼は登りで何度もアタックして僕を引き放したんだ」。ティージェイは静かに笑います。「でもその度に彼は振り返って、満面の笑みを僕に見せてきた。ダニーはとても強いばかりではなく、プロ選手としての生活を思う存分楽しんでいる」。

勢いのある若手から実績のあるベテランまで揃うチームの中で、ティージェイはリゴベルト・ウランとタッグを組んで戦うことを楽しみにしています。

「リゴとはまだしっかりとした面識がないけど、これまで何度も対戦しているから、彼が何時間もチームメイト全員を集団先頭に立たせて風除けに使う選手でないことは分かる。彼は少し下がった場所に陣取って、大事な局面でしっかり前に上がり、精鋭グループを作り出して勝つタイプの選手なんだ」。

「知っているチームメイトが多くて、まるで帰省したような気分になった。僕の結婚式に出席してくれた連中もいた。一緒に夕食のテーブルについた次の瞬間にはもう仲間入りしていた」。

戦いを交える中で、リゴがもつ純粋なパワーに納得したティージェイは、コロンビアンリーダーを献身的にサポートすることも厭いません。「もしリゴがレース中に『調子が良い』と言えば、1週間のうち何曜日でも彼のために働いてみせる」と、ティージェイ。「火曜日には2回働いてもいい」。

ウランの直感的なスタイルは、厳格で戦略的なBMCのアプローチとは似て非なるものです。「前のチームでは、全員で一つの目標を共有して、完全に保護された一人の選手のために走っていた。チームバスの中で誰がエースなのかがクリスタルよりも明白だった。問題は、そのエースにトラブルが起こった時に、もう破滅的にどうしようもなくなることだった」と、苦い経験を振り返ります。

2015年のツール・ド・フランスで、ティージェイは終着地パリまで3日間を残した段階で総合3位につけていました。そこで彼は突然の体調不良に見舞われてしまいます。クリス・フルームとナイロ・キンタナと一緒に総合表彰台に登る最高のチャンスを失っただけでなく、BMCチームは結局ステージ1勝もできないままレースを終えることになりました。現在、ティージェイはよりバランスの取れたアプローチを求めています。

「EFチームはもう少し戦力を分散している印象なんだ。確かにリゴがエースではあるものの、彼が絶対的な存在ではなく、他のメンバーにも何か別のことに挑戦するドアが開かれている」と彼は言います。これまでチーム全体の期待を一身に背負って戦ってきた彼は、アシストにもチャンスを配当するEFチーム特有の柔軟な戦略的アプローチに溶け込むことになります。ではティージェイの今シーズンのプログラムはどういったものになるのでしょうか。

「もしリゴがレース中に『調子が良い』と言えば、1週間のうち何曜日でも彼のために働いてみせる」と、ティージェイ。「火曜日には2回働いてもいい」。

彼のシーズンは2月の下旬に砂漠の真ん中を走るUAEツアーで開幕。そこでレース強度の走り込みを行いました。「もちろん総合上位に入ることができればよかったけど、UAEでは身体に刺激を入れることができた。それは残りのシーズンに向けてとても大切なことなんだ」。

BMCチームでのキャリア後期にかけて彼は少々ごちゃ混ぜのシーズンを過ごしましたが、2019年はより伝統的な春のプログラムに戻ります。彼はその名前を世界に知らしめたレースに出場する予定です。

今週、ティージェイは良い思い出と苦い思い出が混じったパリ〜ニースに出場しています。キャリア初期に、彼は2回にわたって総合トップ5でフィニッシュし、ヤングライダー賞の証であるマイヨブランを獲得しました。しかしその後は不運が連続。昨年に至っては大会初日に2回落車してレースを去っています。

それから12ヶ月が経った今年のパリ〜ニースでも、再び初日にデジャブが起こりました。強風が吹く第1ステージで集団が分裂。総合成績を諦めないといけない集団脱落者の中に、ヴァンガーデレンの名前がありました。落車した前年度の覇者マルク・ソレルのすぐ後ろを走っていたティージェイは、総合順位を下げたことでステージ優勝に目標をスイッチ。週末にレースが山岳に突入すると、彼に出番が回ってきます。

その後は、ティージェイが過去に印象的なステージ優勝を2回飾っているボルタ・ア・カタルーニャが控えています。その2回のステージ優勝は、いずれもバルテル2000とモリーナというスキー場にフィニッシュする難関山岳ステージで、リッチー・ポートやクリス・フルーム、アルベルト・コンタドールという手練れを破っての勝利でした。

「今年出場する全てのレースで勝負に絡みたい。ツール・ド・フランスのことだけを考えてシーズンを過ごしたくない」。

3月下旬に開催されるカタルーニャのレースには、再び2つのスキー場の山頂フィニッシュが設定されています。すでに合計2週間にわたって強度の高いレースをこなして調子を上げ、2つの登りの勝ち方を心得ているティージェイが、過去の成功の再現を狙います。

1週間前後のステージレースをトレーニングセッションと捉えているグランツールの総合優勝候補たちに、ティージェイは異論を唱えます。「今年出場する全てのレースで勝負に絡みたい」。大胆にも彼はそう断言しました。

ツール・ド・フランスのことだけを考えてシーズンを過ごしたくない。どんなレースでも、ライバルにどうやって勝つことができるかを考えて走りたいんだ」と彼は続けます。「もちろんコンディションは季節によって上下する。でも出場するレースによってモチベーションが上下するなんてことはないよ」。

4月にヴァンガーデレンは長期のトレーニング期間を設ける予定です。全ては、2013年に総合優勝しているツアー・オブ・カリフォルニアで活躍するためです。彼のシーズンがピークを迎えるのは7月。ツール・ド・フランスに出場しますが、彼が繰り返し説明しているように、そこでの成績がシーズンの全てではありません。

ツール後のスケジュールは未定です。チーム首脳陣と現在相談中の彼は、伝統的なシーズン終盤戦に加えて、『オルタナティブ カレンダー プロジェクト』の一環として、オーソドックスではない選択肢を選ぶ可能性が出てきています。ラファとチームの共有理念として発案された『オルタナティブ カレンダー プロジェクト』とは、ダーティーカンザやレッドヴィル100など世界を代表するオフロードレースやエンデュランスイベントに、EFエデュケーションファーストの選手たちが出場することです。

最初は懐疑的だったティージェイも、今ではすっかりレッドヴィル100への出場に興味津々。彼が住むアスペンのすぐ近くに広がる高地を100マイルに渡って走るMTBレースです。「ロードレーサーの活動に支障をきたすような代替カレンダーなんて必要ないと最初は思ったけど、今ではとてもエキサイティングなアイディアだと思っている」と彼は打ち明けます。

「レッドヴィル100は、ツール後のタイミングで、自宅から山一つ分しか離れていない場所で行われるんだ。人間らしいレベルでスポーツを楽しむまたとない機会であり、ファンとの交流も楽しみたい。個人的には、知り合いの不動産業者との対決が楽しみ。興奮したものになるはずだよ」。

不動産屋からワールドツアーの猛者まで、ティージェイ・ヴァンガーデレンの前に現れるライバルは、リフレッシュした清々しい男に手を焼くことになるでしょう。次世代選手として期待を背負い続けたティージェイの巻き返しが始まります。

EFゴーンレーシングの次のエピソードはミラノ〜サンレモを特集。レース終了後、数日のうちに公開予定です。これまでのシリーズを振り返りながら、下記からチャンネル登録をお願いします。

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『太陽に向かうレース』として知られるパリ〜ニースの前半3日間は、まさに強風との戦いでした。ライバルたちからエアロダイナミックなアドバンテージを得るために、ティージェイはプロチーム エアロジャージを選択。2種類の生地を組み合わせ、接着式の縫合を慎重に計算された位置に採用した最速ジャージが、空気抵抗を低減し、ハイスピード走行を可能にします。ワールドツアーで証明された性能を、今あなたのもとへ。

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