業界トップの専門家たちとコラボレーションを行い、ユニークなアプローチで素材テストと評価を行った2年間におよぶプロジェクトを経て、ラファが世界最高峰のアスリートのために設計した最速TTエアロスーツをジロでグランツール初投入します。風洞実験のデータは、従来のチームイシュー製品と比べて、新しいメンズスーツは55km/hでの走行時(ヨー角1度の場合)に出力を12.4W低減することを示しています。これは、レース中2回行われるタイムトライアルであらゆる違いを生み出すことになるでしょう。
開発チームは、最速の組み合わせを選ぶ抜くために、実に100種類を超える素材や素材の組み合わせを、イギリスのスポーツ科学研究所として業界をリードするラフバラー大学の最先端風洞実験施設でテストしました。空気抵抗を低減するテクスチャー加工の入った生地を、エアロダイナミクス性能を高める最も滑らかな表面を持つ生地と組み合わせ、スーツとソックス、オーバーシューズ、ミットに最適な素材を選び抜きました。
ピンクがダメ? 問題ありません。
ジロ・ディタリアを走るチームのジャージキットには、決して破ってはならないルールがあります。EFエデュケーション・NIPPOは今年も限定版のスイッチアウトジャージを着て『コルサローザ』を走ります。様々な色を詰め込みながらも、一つの方向性をもった特別なデザインです。
5月、プロフェッショナルなプロトンの意識は、ある色に支配されると言っても過言ではありません。1909年にレースを初開催したガゼッタ・デッロ・スポルトの紙色に敬意を払ったピンク色のマリアローザは、サイクリング界を代表する栄光のジャージです。当然、そんな象徴的なリーダージャージとの色の衝突は避けるべきです。
つまりEFエデュケーション・NIPPOの通常のレースウェアは5月のイタリアにおいては禁忌な存在なのです。しかし、ピンクじゃなくても、チームの存在感は不動です。私たちはピンク以外の全ての色を詰め込みながらも、一つの方向性をもった最新の特別デザインを生み出しました。
これから3週間にわたって、チームの8名の選手たちは、この『万華鏡キット』を身にまといます。生まれも育ちも異なり、様々なバックグラウンドをもちながら、共通の目標に向かって協力して突き進む人々を祝福する眩い配色のデザインです。2021年最初のグランツールで、鮮やかにほとばしる色彩をイタリアから世界へと解き放ちます。EF ジロ スイッチアウト キット コレクションは、レースがミラノへ到着する5月末に発売します。
オフバイクのラインナップも含むEF ジロ スイッチアウト キットのフルコレクションは、レースがミラノへ到着する5月末に発売します。
1秒も無駄にしないための研究開発の賜物
今年のジロ・ディタリアにおいて、EFエデュケーション・NIPPOの究極の目標はたった一つ。それは再びマリア・ローザを手にし、この旅の目的地であるミラノまで死守すること。ですが、グランツールの1つであるジロ・ディタリアで、そうたやすく欲しいものが手に入る筈もないのは明らかです。チームのエースであるヒュー・カーシーは、そのペダルを回す度、ひと漕ぎ毎に時間と戦い続けなければなりません。そしてその時間という最大の敵に打ち勝つ術として、最先端のエアロダイナミクス技術が試されるのです。
「今回のプロジェクトでは、デザインと生地の風洞実験に限定せず、そこに実際のライダーとバイクの風洞実験を組み合わせました。チームが求める特定のニーズに合わせて最適な解答を導き出す過程として、素晴らしい前例を作ったと言えます。それぞれの開発段階で得た結果が、細やかなパターンと素材選びへと繋がっています。実際のレースで想定されるスピード域において、このスキンスーツとソックスの組み合わせは最高のパフォーマンスを発揮します」
「風洞実験では、グランツールのタイムトライアルで想定されるスピード変化や風向きを考慮した環境でテストを繰り返しました。こうした特定の条件やディテールの調整には長時間の風洞実験が求められますが、結果的にパターンと生地の小さな差を理解するために必要な深い洞察を得ることができました。このアプローチは、最適な製品を特定する上で欠かせないものでした」
バーニー・ウェインライト博士(リーズベケット大学のサイクリング空気力学および生体力学のシニアリサーチフェロー兼プラクティショナー)
合計6回に分けて、40着を超えるスキンスーツが風洞実験でテストされ、生地の組み合わせだけでなく、縫合の配置、フィット感、生地のテンション、スーツ全体の構造がそれぞれ異なるプロトタイプがテストされたのです。全ての試行錯誤を終え、あとは計測タイムとの戦いを待つのみ。ヒュー・カーシーがミラノでマリア・ローザに袖を通すだけの力を備えているか、ただ祈るのみです。