今年の1月は、単に今年の始まりというだけでなく、これからの10年の始まりともなる月です。ですから、いつもよりもじっくりと吟味する時間を取ってから話をさせていただこうと思いました。10年とは長い年月です。しかし振り返ってみると、ずっと変わらず同じ価値観を持ち続けてきていて、積み重なっていく日々が、私たちの今の土台として積み上がってきています。そして、狂気とも思えるアイディアを素晴らしいプロジェクトにし、プロトタイプを作成し、完成した製品として世に送り出す。野望を現実のものとする。この行動の繰り返しをしてきました。
オープンロード - 開かれた道
2020年のスタートにあたり、ラファの創設者でCEOのサイモン・モットラムが皆さまにオープンレターを書き記しました。
ここからの10年初となるこちらのフィルムは、私たちが大切にしているこれらの価値を祝福し、私たちの物語の次章を始めるために、何のために存在しているのかを再確認するものです。そしてこれは、サイクリングが持つ全ての魅力を語るために、ラファはまだほんのその表面に触れただけにすぎないということを、個人的にも気付かされるものとなりました。もしお時間がありましたら、今年どんなことが待っているかについて先を読み進める前に、こちらのフィルムをご覧ください。
先シーズンのEFプロサイクリングのチームキットの大成功に続き、今年も引き続きツール・ダウンアンダーにて国際的な評価を得ることができました。もちろんEFのライダーたちもライバルから際立っていますが、キャニオン//スラム チームのために製作したダイナミックなデザインのキットもまた、プロのプロトンの中で一際目を惹くものとなりました。ラファのデザイナーがチームのライダーとの密接な連携を担い、今回コラボレーションをした著名なコミックアーティストのデザイナーが、まもなく発売となるコレクションの斬新なデザインを生み出しました。このコレクションにはメンズとウィメンズのラインナップが揃います。
プロのチームとの密接なコラボレーションが、今シーズン登場する主要製品の鍵となっています。その最初の一つが、2月に待望の発売となるプロチーム シューズです。選手たちからの要望は、快適性に妥協せず、厳しいレースでも長持ちするシューズの製作でした。そして彼らは要望だけで終わるのではなく、さらに先まで携わりました。ラクラン・モートンからのフィードバックは、ラファの新しい独自素材、Powerweave™製の単一構造アッパーを使用したこのシューズの開発の助けとなりました。より軽量かつより確かなフィット感のために同じテクノロジーを用いデザインされた全く新しいプロチーム アタック ビブショーツも、EFのロードキャプテン、ミッチェル・ドッカーと開発したものです。全く新しい素材と設計を採用したこのニューモデルのビブショーツは、既存のレースビブショーツとは完全に異なるものとなりました。6月の発売をお楽しみに。
今シーズンEFが出場するレースは、グランツールやクラシクスだけにとどまりません。昨年の『オルタナティブカレンダー』の圧倒的な成功を受け、ゴーンレーシングチームは、バイクレースの魅力をふんだんにお伝えするために、世界中で開催される8つのイベントに随行します。3月におなじみのメンバーと行く世界で最も過酷なマウンテンバイクのステージレースを皮切りに、EFの選手だけでなく、キャニオン//スラムやリージョン・オブ・ロサンゼルスからも新たな参戦者を迎え、新たなレースに挑みます。私も待ちきれないほど楽しみにしています。
ジャスティン・ウィリアムズ率いるリージョンも、ラファ カスタムのウェアに身を包んでいるチームの一つです。そしてここにも、エキサイティングな進歩があります。今年、クラシック、コア、プロチーム コレクションからのアイテムを追加し、ラファ カスタムでご注文いただける製品のラインナップが大きく拡大します。また、ワールドクラスのラファのデザインチームがあなたの夢のキットを作るお手伝いをいたします。そしてスコットランドのスポーティブや中西部のグラベルチャレンジなどの屈強なイベントでも、特別限定版ジャージがラファ カスタムで製作される予定です。楽しみにしていてください。
そしてロンドン本社の中でもおそらく最も心待ちにされているのが、4月に発表となる『Outdoor Voices(アウトドア ボイシズ)』とのコラボレーションです。『Outdoor Voices(アウトドア ボイシズ)』は、身体を動かして友人と楽しみを共有することが、幸せで健康的な生活への最も確実な方法で、それが「世界を動かす」原動力となる。というコンセプトを元に、サイクリストからランナー向けの美しいスポーツアパレルを生み出しているブランドです。このユニークなデザインへのアプローチとブランドミッションがラファの方向性と一致するところも多く、『Outdoor Voices(アウトドア ボイシズ)』とのコラボレーションは必然でもあり、これまでのラファのウィメンズ製品とはかなり異なるコレクションの発表に私たちも興奮しています。そして遂に6月には、1から見直しをして完成させたアイウェアの登場です。2種類のレース仕様のプロチーム フレームとグラベル仕様のエクスプロアフレーム、そして多くの方に愛されているクラシックサングラスを周到したモデルが揃うラインナップです。
そしてその先には、待望のコレクションがいよいよ現実のものとなります。2004年、ラファはイーストロンドンでの小さな展示会からスタートしました。当時の写真はすべて舗装路で撮影されたものばかりでした。以来、私たちは掲げたミッションと共に大きく成長し、今ではあらゆるスタイルのサイクリングをサポートできるようになりました。しかしながら、自転車業界はどうやら細かい部門ごとにわかれてしまっているようです。でも、私たちはそれぞれとの共通項を見つけ出し、一緒にやっていく方法を見つけることができると信じています。2021年、ラファのデザイン技術とマウンテンバイクのメッカに置いた新たなオフィスから情熱を注ぎ込み、ブランドを全く新しいステージへと導く、ラファ初となるマウンテンバイクウェアのコレクションを発表します。この新章が開かれる2021年までに、詳細を順次公開していきますので、乞うご期待。
言うまでもありませんが、前述の新たに発売される製品は、まず最初にラファ サイクリング クラブのメンバーへと公開されます。メンバーたちは、また今年も多くのライドや新たなメンバーシップ特典の活用を楽しみにしていることでしょう。今年私たちは、クラブハウスがお近くにない地域にライドリーダーやパートナーカフェを増やし、どこにいてもメンバーがメンバーシップを最大限活用できるように、より一層力を入れていくつもりです。RCCメンバーは、新たに発売される主要製品への先行アクセスだけでなく、特別コラボレーションによるシーコンのバイクバッグ、新しいジロのヘルメットを始め、特別限定版のジャージなどのメンバー限定製品も購入できます。
RCCのメンバーシップも改定され、より購入しやすく、活用しやすいものとなり、みなさんにとって様々な方法でラファと一緒に走ることができるようになりました。そしてクラブハウスでは、2020年もライドやイベントでカレンダーを賑わせるように準備しています。4月には、パリ〜ルーベを讃えるキックオフイベントとして、「A Day in Hell(ア・デイ・イン・ヘル)」を世界各地で開催し、今年のコレクションを発表します。7月には、オフィシャルアパレルスポンサーとして、最も名誉なスポーティブイベント『エタップ・デュ・ツール』に帰ってきます。そして夏が終わる前に、9月にはウィメンズ100が待っています。グラインデューロとのパートナーシップもより強固なものとなってきています。ラファは今年も引き続きアパレルパートナーを続けます。私にとってエタップは、いつも最高にして最大のイベントです。現地で皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
これが今年の今後の見通しとなるのですが、最後の締めくくりとして、将来を見越した私たちの活動の近況報告をしたいと思います。2020年、『ラファ ファウンデーション』は2年目を迎えます。そして、支援も次の団体へと拡大されます。すでに支援している団体からも素晴らしい報告を聞いています。ここに新たな団体も加わることで、私たちの活動がどう未来を変えていけるのか、楽しみにしています。そして最後になりましたが、重要な問題、サステイナビリティについてもお話ししたいと思います。これからの10年を表現する言葉があるとするならば、これでしょう。サイクリングは善に繋がる根本的な力を持ち、本質的に持続可能であるものです。ですから、自転車業界は環境への影響を最小限に抑え込む努力を行わなければなりません。私たちが使用している素材や、どのようにサステイナビリティに取り組んでいくかについてを、サステイナビリティに関する情報ページで公開しています。サステイナビリティへの取り組みは長期的な課題ですが、プランをきちんと持つことで、私たちが行きたい方向性に向かうことができるという自信となります。
サイクリングの未来がとても明るいものであるという大きな満足を感じています。今年もたくさんのライドをしながら、様々な場面で皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
サイモン・モットラム