We are showing you the Japanese version of our site: would you prefer a different location?
日本語版を表示しています。他の言語表示を希望されますか?"""

Share this:
瑞牆山
WORDS: Daisuke Yano | PHOTOS: Brian Vernor, Shu Takenouchi, Kei Tsuji

「路面が見えない」「足が冷えて動かない」。 内池のペイシェンスが限界を超え、すべてが悪循環となって前に進む妨げになっていた。こっちは黙って「ただ漕いでくれ」と心の中で唱えながら、車のライトだけを頼りにピッチブラックの平沢峠を登り切り、突き刺さる空気を切り裂きながら下って行く。冷たい風が首元に入らない様に頭を下げ、残り数キロを黙々と踏み続ける…
--------------------

Raphaが日本での拠点として選んだ南牧村は、八ヶ岳東麓に位置する人口3500人ほどの小さな村。人口の殆どが農業従業者だが、驚くことに多くの農家は跡継ぎや高齢化問題を抱えていない。高地で栽培されたキャベツやレタス、白菜は甘みがあって抜群にうまい。日本一標高のある小学校と普通鉄道駅を持つ村は、まともな集落としては最も高い場所に位置していることになる。東京から2時間、1平方キロメートル当り25人しかいない八ヶ岳周辺が、自転車のフィールドとして適していることは明確。それを理解するのに大した想像力は必要ないだろう。問題は、ルートを作る上で無限のオプションがあるという贅沢な悩みと、下りでループルートを締めくくることの難しさ。丘の上に住んでいるライダーならば、辛い登りで終わらせるか、遠回りして余分に登る引き換えに下りで終わるルートを選択するか、その判断がどれだけ難しいものか心得ているはずだ。今回のルートは、なんとか標高差にして100mを下る平沢峠を最後に設定した。しかしその平沢峠のアプローチは、登坂距離23km以上、標高差900mの登り…

ルートはRapha Japanが拠点を置く野辺山をスタートし、山々が連なる山梨県北部を南下。甲府すれすれで北向きに針路を変え、再度八ヶ岳に向かって登って行くというもの。目玉となる峠も無ければ、下界に降りる事も無い。地図上では街が近い様に見えるが、実際はほとんど「生活」を感じさせる風景も無いままライドは終了する。

この国には Rouleur Magazine が伝えるヨーロッパの様な伝統的な峠も無く、 Rapha Continental が伝えるアメリカの巨大定規で繋いだだけの様な広大なルートも少ない。エピックなルートと言えば、田舎風景を代表する使い込まれた農道、または、政治家の「パワープレー」によって無駄に作られ、その存在すら忘れ去られたような山道となる。しかしその中にも、文化や国を象徴する人や物が多く存在する。特に、その地が持つ固有の文化には、時として自国の人間でも驚かされる。120kmという短い距離で、川上村から甲府北部、明野、そして高根(夜行性でない我々は高根の特徴は想像によるものだが…)と走り抜けると、風景は目まぐるしく変わる。ライダーをエンターテインさせる要素が詰め込まれている。

Share this:
