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Denim

セルジュ・ドゥ・ニーム(短く言えばデ・ニーム)として知られるファブリックの末裔であるデニムはその頑健なコットン素材により、消し去ることのできない衝撃を近代ファッションに与えた。このファブリックの歴史は、船の帆や、労働者階級の服、絨毯やカーテンなどの室内装飾としてとりわけイタリアで重宝されていた17世紀に遡る。「ジーンズ」という言葉は、ジェノヴァの海軍で着られていたデニムタイプのファブリックで作られたトラウザーや衣服に起源を持つ。デニムのシャツやジャケット、オーバーオールは世界に広がり、19世紀後半と20世紀前半には特に西部アメリカでポピュラーなものになった。当地ではこれらの耐久性のある作業着が、探鉱者、鉱夫、農場経営者の信頼を得たのである。

デニムの耐久性と管理の楽さが、「ワークウェア」の理想型として語られるようになり、瞬く間にアメリカの企業は明確な用途に応じたデニムパンツをデザインし始める。ひとつの好例として、脚の外側にあるジーンズのスティッチラインが、馬の乗り手が馬上で快適にいられるためにできたものであることを挙げておこう。20世紀が進展するにつれ、テレビや映画が扇動する若者文化のグローバリゼーションは、ジーンズを反逆のシンボルと位置づけた。ジーンズは個人の見た目をただクールなものにするだけでなく、機能性においても優れていた。強固で快適なトラウザーはただ長持ちするだけでなく、年代の表現であり、個性を伸張するものなのだ。

ジーンズの実用的な特性に、高い耐久性があり、多くのシティロードサイクリストがジーンズでのライドを楽しんでいることは驚くことではない。しかしジーンズが普段着に最高でも、もしたった一本のジーンズで毎日並々ならぬ距離を走っていたら、いつかきっと局所的な問題や、やがて生じるであろう不具合を感じるはずだ。それに、普段履きのお気に入りジーンズには、ビブショーツのようなフレキシブルさは無い。このような経緯から、Raphaはこれらの問題の解決に乗り出した。

ザ・デニム・インタビュー

Raphaのリード・プロダクトデザイナーであるグレーム・レイバーンに、Raphaデニムの展開とシティロードサイクリストのためのパフォーマンスジーンズの立ち上げについて尋ねた。

いつ、どこでRaphaジーンズの構想が生まれたのでしょうか?

「私たちは2年前から、どんなものが利用できるか模索を始めました。どこに弱点があるのか、何が近年のあるいは伝統的なデニムの問題であるのか、という知見から私の手持ちのジーンズを片っ端から履いてみました。最大の問題点は明快なものでした。それはファブリックです。そうして私たちはデニムの素材のデザインから始めたのです。」

街で結構な距離を乗る人間として、通常のジーンズで街を走るのが嫌だったのですか?通常のジーンズの問題点とは何だったのでしょう?

「典型的なデニムは、ほぼ全て綿です。けれど、サイクリストのためのデニムは快適性、伸縮性、フィット感のために数パーセントのライクラを混合することになるでしょう。一本ずつの紡ぎ糸は実際はまったくもろい植物の細胞からできており、紡ぎ糸がちぎれるために時間の経過でジーンズ・ファブリックは柔らかさを増すのです。

織られた綿にはわずかな伸縮性こそあるものの、始めの段階から私たちはバイクライドの動きに対応しフィットする適切な伸縮性を得るためにライクラを必要としていました。他の問題として、あの綿の紡ぎ糸の表面が無数の小さな孔で覆われていることがあります。これはつまり、水を容易く吸収し外に出ていかないということです。つまりジーンズは、乾かすのに長い時間が必要になる。

モダンなジーンズというのは摩耗とともに年を重ね、最後にはしとやかに色あせるようデザインされています。ジーンズにおける損傷は、デニムの味わい深い要素として認められていますが、ことバイクライドとなるとこのプロセスは加速度的に進行します。それもとても局所的なエリア、つまりサドルとの座面です。

私たちはこれら全ての問題を取り上げ、克服するためのカスタムデニムの開発に取りかかりました。コーデュラ式の紡ぎ糸(強健なナイロン)とライクラを混ぜ合わせることによって、摩耗性、耐久性、通気性そして強度を改善することができました。さらに、色褪せを減らすことにも成功しています。」

どのくらいの種類のRaphaデニムをテストしたのでしょうか?どのようにしてこれらの色に落ち着いたのでしょうか(パープルカラーや、ストーンウォッシュの試作も目にしましたが)?

「私たちは5つの違った試作ファブリックによって適切なウェイト、織り方とカラーを模索したと思います。これらの収穫のいくつかは価値のあるもので、将来また利用することもあるでしょう(例:サマーシーズンのための軽量デニム)。濃い色を当初は想定していましたが、洗いを最小限に抑えた明るいインクブルーとなりました。私たちの多くのプロダクツと同じように、スマートでありかつ汎用性に富むことが重要なことなのです。」

パフォーマンスデニムの開発における主要な問題はどんなことだったのでしょうか?

「現在、サイクリングに特化したデニムを作っている工場がどこにもないという事実です。私たちはそのようなデニムを作ってくれそうな、私たちの構想を形にしてくれそうな工場を探すのに多くの時間を使いました。次に、既存のジーンズのテンプレートに自転車特化の技術を組み入れることに細心の注意を払って仕事をせねばなりませんでした。ジーンズのスタイリッシュさを損ないたくない—これはヴィジュアル面に結論を出そうとするといつも顔をのぞかせる問題です。」

労働仕事のためのマテリアルとして、バイクライドのためのマテリアルとして、そしてファッションアイテムとしてあなたは普通のデニムをどのようにみなしているのでしょうか?そこにデニムの美しさ、デニムの機能性、そして見た目の良さを挙げるのでしょうか?

「ジーンズは他のどの衣服よりも長い歴史に息づいています。初期の形式ばった優美な用途の破壊から、破れかけたデニムのよれよれのパッチワークまで。本質的に「作業着」であるにも関わらず、ジーンズは社会的に許容され続けている。ジーンズは雨が降らない限りにおいて、サイクルウェアとして完璧なものなのです。

どのようにRaphaジーンズの最終プロダクトに満足しましたか?

「大変満足しています。私たちはジーンズを研究し、問題の所在をつきとめ、解決策を探しました。解決策が他に無いことを知ってからは、自らの手で創り出すことにしました。完全に比類なきプロダクトを生み出せたと思います。一度このジーンズを履いてバイクに乗れば、私たちのジーンズの到達したレベルを理解し、納得することでしょう。シティサイクリストが一本のジーンズに欲しがるであろう全てを私たちは詰め込んだのです。つまり、快適性、耐久性、柔軟性、視認性、ロックと鍵のための自転車特化のポケットを。Raphaジーンズはまた、耐久力、工学処理された縫い目、控えめなリベット、後で直すためのリペアパッチ—これは「万が一」のためですが—を備えています。